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霞ヶ浦 - 日陰の生活

最終更新時間: 2014-03-09 21:23

2007-08-14 Tue

外来種の問題 [霞ヶ浦][環境]

昨夜の日記に触発されて、ではないが、
ちょっと真面目に語りたくなってしまったので長々と述べたい。
そもそも、外来生物の導入が何故問題視されるのか。
それは在来の生態系に影響を与えるからである。
影響が大きく、在来生態系が変化してしまうと、
当然、生物相も大きく変化する。
その結果、それまで見られた生物が消えたり、
景観が変わってしまったりする。
これらが変わることによる影響は以下の例が挙げられる。
・寂しい(文学的問題)
・種数の減少による攪乱への耐性低下(生態学的問題)
・例えば漁業における収量減少による収入低下(経済学的問題)
・雨、風などの影響拡大(例えば防災学的問題)

だから外来種を世に放つのはやめましょう、
と単純には言い切れない(勿論、肯定はしないが)。
結局、これらは人間の社会活動と密接に関係しているからである。
一例として、映画「ダーウィンの悪夢」を挙げておく。

日本を考えると、有史後は外来種導入の歴史と言っても過言でない。
コメもそう、コイもそう、チャバネゴキブリも全て外来種である。
それらが駆逐してきた在来種も多いはずである
(チャバネゴキブリは望んで導入したわけではないと思われるが)。
結局、この期に及んでは、これからどのような社会を作り、
それにふさわしい環境をどう整備していくかによる。
秋晴れに揺れる稲穂なんて本当は自然な姿なんかではないのだ。
もし今、300年間ほど日本から人間がいなくなってしまえば、
戻ってくる頃にはもののけ姫の世界になっているはずだからだ。

話が随分脱線してしまったが、
外来種と付き合うということは、
それだけのリスクと向き合わなければならないということである。
個人的には、閉鎖系での飼育など、ちゃんとリスク管理を行ならば
外来種を持ち込んでも構わないと思う。
例えば農作物の生産。
スイカの種を運ぶエネルギーとスイカの実を運ぶエネルギー、
どちらが少なくて済むかを考えれば、
俗に言う「環境に優しい」のはどちらかは自明だろう。
ただ、今の日本の政策なりモラルを見ていると、
「ちゃんと」というのが一番のくせ者であり、
現在の世の中も、このくせ者に作られたものであったりするのだが。

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2007-08-12 Sun

外来種の湖、霞ヶ浦 [霞ヶ浦][環境]

水族館を出てから、すぐ隣の霞ヶ浦を散歩。
4時過ぎの気持ちの良い青空と
ちょっとドブ臭いが気持ちの良い風を味わいながら、
濁った霞ヶ浦を眺める。
こう言うと問題かもしれないが、やっぱり汚いなぁ…。
10年前に滋賀県の湖南地域に住んでいたことがあったが、
その頃の汚い琵琶湖を思い出してしみじみ。
そんな中をウォーターバイクで走る方々。
ともあれ、日本で2番目に広い湖。やっぱり大きい。
風が強かったせいか、かなり荒れていて、
波の立ち方なんかは海と変らない。

近くの漁港まで行ってみると、さすがに港内は波も穏やか。
しかし、この漁港にて、この湖の抱える問題に直面することになってしまった。
漁港に多数捨てられていた魚の死体に気付く。
それらはかなり大きいナマズであった。
だが、日本産のナマズではなく、所謂キャットフィッシュなのである。
しかも、どれも相当大きいサイズ。最小でも30cmを下らない。
こんなのが、こんなに沢山取れるようになっているという事実に驚く。
サイズ、数から考えれば、霞ヶ浦に定着し、
そして着々と勢力を広げて行っていることは明らか。
キャットフィッシュ

ちょっと歩くと、魚の死体溜まり。
潮流の関係で、浮遊物が一カ所に集まることは珍しいことではないので、
魚が沢山死んでいることが問題なのではない。
その死体をよく見ると、フナやコイだけでなく、
ハクレンなど外来魚(厳密に言えば、コイも外来種ではあるが)が多数。
これまで見てきた西日本の河川・湖沼とは全く様子が違う。
死体

何故外来種が増えたのか。
そして何故外来種が多くてはいけないのか。
色々な学説があるが、コメントは別の機会に。